比較優位の原則とは?イラストを用いて分かりやすく簡単解説!

経済学

比較優位の原則とは?

比較優位(ひかくゆうい)の原則は、イギリスの経済学者デヴィッド・リカード氏によって提唱された貿易に関する基本的な原則です。
貿易をする際、それぞれの国が自国の得意な財の生産に特化することで全体として大きな利益が得られるというものです。
上の図をご覧ください。A国はみかんの生産が得意で、B国はももの生産が得意です。
A国はももを1単位減産して、みかんの生産に集中するとみかんを3単位増産でき、逆にB国はみかんを3単位減産し、ももの生産に集中するとももを4単位増産できるとします。
このときA国はみかんの生産に比較優位があり、B国はももの生産に比較優位があるといいます。
そして、両国とも得意な方に特化して生産し、貿易を行うことで全体としてより多くの利益を上げることができます。
A国は、みかんの生産に特化してももをB国から輸入し、B国は、ももの生産に特化してA国からみかんを輸入することで2つの財を生産する場合よりお互い得ができるということですね。
また、貿易を行う理由は比較優位の原則のみではありません。
生産する土地の環境で農作物の味や形が変わってきます。
そのため、貿易をすることで違う国の味や風味を楽しめたり、新鮮感を味わえたりします。

生産特化によるデメリット

比較優位の原則による生産特化にはデメッリトもあります。
海外から輸入される安い商品と価格競争を強いられるため、国内の比較優位のない財を生産する生産者は悪影響を受けます。
そこで、輸入制限や関税を施すことで国内の生産者が有利に生産できる状況を作ることもあります。
この場合、消費者は本来より高い価格で商品を買うこととなるため、あくまで国内の生産者を守る対策であると言えます。
そのため、国内の生産者は質の高い財を作り、ブランド化により輸入品と差別化ができれば生産者、消費者双方にメリットが生まれるのではないかと考えます。

絶対優位とは?

経済学における絶対優位とは、貿易相手に対してある財をより効率的に生産できることをいいます。
上の図では、同じ投入コストでとれたみかんとももの生産量をイラストで表しています。
B国は、みかん、もも、どちらの財の生産量もA国の生産量より多いといえます。
同じコストでの生産量であるため、多く生産した国がより効率的であると言えます。
そのため、この場合はどちらの財もB国が絶対優位にあります。
実際には、アメリカと日本における果物や野菜などの農作物の貿易でしばしばみられます。
アメリカは広大な土地を生かし、大型の機械や化学肥料を用いて効率的に大量生産を行っているのに対して、日本は狭い農地ですべて手作業で行っている農家の方もおり、生産量のわりに人件費が多くかかってしまうためです。

まとめ

今回は経済学において大切な原則である「比較優位の原則」に関して説明しました。
イラストを用いて分かりやすくお話したつもりですが、いかがだったでしょうか?
今後さらなるグローバル化が予想されるため、貿易におけるこの概念は非常に重要になってくるのではないでしょうか。
用語の意味をおさえて、概念の全体をしっかり理解できると良いですね。
ローレンツ曲線とジニ係数
はじめに 今回は所得格差を表す指標であるローレンツ曲線とジニ係数について考えていきます。 これらは、所得格差を評価する際に有力な指標であり経済学を学ぶ上でとても重要です。 最初は難しいと感じるかもしれませんが定義をしっかりと理...

コメント

タイトルとURLをコピーしました