限界効用逓減の法則(ゴッセンの第一法則)とは?簡単分かりやすく解説

経済学

限界効用逓減の法則とは

 限界効用逓減の法則(ゴッセンの第一法則)とは、財を1単位追加で消費した際に得られる効用は財の消費量が増えるに伴い低下していくという法則。ん~専門用語が出てきて分かりにくいですね…。用語の意味からしっかりと説明しますので頑張って理解していきましょう!

・限界効用とは

 まず、経済学における「効用」の概念から説明していきましょう。効用とは、財(商品やサービス)を消費したときに得られる満足感のことです。みなさんビールを飲むと満足感を得ますよね?(ビールが嫌いな方は別ですが…)この時、にあたるのがビール効用にあたるのが満足感です。そして、経済学での限界とは「今の状態から1単位追加した際どう変化するか」ということなので、限界効用とは今の状態からもう1単位追加した際に得られる満足感のことですね。

・逓減とは

 逓減とは”だんだんと減る”ということです。知っているとかっこいい単語ですね。
つまり…
例えば、ビール好きのあなたは今居酒屋にいます。仕事終わりのビール、最初の1杯目はとてつもなく美味しく感じませんか?しかし、2杯目、3杯目…と飲むごとに飽きてしまったり、ありがたさを感じなくなってきて1杯で得られる満足感だんだんと減ってきますよね?これを、経済学では限界効用逓減の法則といいます。ちなみに、満足感の合計は1杯より2杯、3杯とたくさん飲むほど多くなります。これは、効用の合計は財の消費量が多いほど増えることを意味しています。

グラフで見る限界効用逓減の法則

 次に、グラフを用いて数学的に限界効用逓減の法則を見ていきます。数式を見ただけで気分の悪くなる方は、グラフの形と傾きがだんだん緩やかに(逓減している)ことだけでも確認してみてください。数学が大好き、バリバリ理系の方は一緒に頑張りましょう!
 上のグラフでは、効用関数をu(x)=√xと消費量xの関数で定義しました。限界効用とは今の状態からもう1単位追加した際に得られる効用のことでしたね。すると、
効用:u(x)
限界効用:um(x)=u(x+1)ーu(x) 
と定義できます。
x>>1の場合、um(x)=u(x+1)ーu(X)≅u’(x)と近似することができます。
∴ 限界効用:um(x)=u(x+1)ーu(X)≅u’(x)
 この場合の効用関数の導関数を求めてみましょう。
u(x)=√x=x½
u'(x)=1/2√x
u”(x)=-1/4x√x
上の式からわかるように一次導関数は+、二次導関数はーとなります。(xは正の値しか取り得ないため)
そのため、u(X)は上に凸の増加関数となり、正の値を取りながら変化量が逓減するグラフということが分かります。これが、限界効用逓減の法則におけるグラフの特徴となります。

まとめ

 今回は、限界効用逓減の法則に関して少し数学も用いて解説してみました。限界効用や逓減、財など聞きなれない単語も多かったのではないでしょうか?日常で身近に感じることがある法則ですので、ビールを飲むときは「効用が逓減してるな~」なんて考えながら飲むといつもより楽しい食事ができるかと思います。ぜひ友達や家族にも教えてあげてみてくださいね!
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比較優位(ひかくゆうい)の原則は、イギリスの経済学者デヴィッド・リカード氏によって提唱された貿易に関する基本的な原則です。 貿易をする際、それぞれの国が自国の得意な財の生産に特化することで全体として大きな利益が得られるというものです。 A国はももを1単位減産して、みかんの生産に集中するとみかんを3単位増産でき、逆にB国はみかんを3単位減産し、ももの生産に集中するとももを4単位増産できるとします。 このときA国はみかんの生産に比較優位があり、B国はももの生産に比較優位があるといいます。 そして、両国とも得意な方に特化して生産し、貿易を行うことで全体としてより多くの利益を上げることができます。

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